請求代行

請求書の再発行はどうすればいい?送付状は必ず必要?

請求書の再発行はどうすればいい?送付状は必ず必要?

請求書を送った後に、取引先から「紛失したため再発行をお願いしたい」と言われ、方法が分からずに慌てた経験はないでしょうか。今まではそういった経験がない場合でも、今後依頼される可能性があります。急な事態に慌てないためにも、請求書の再発行について事前にルールを知っておきましょう。今回は請求書の再発行についてご紹介いたします。

請求書を再発行する手順

はじめに、請求書を再発行する手順を見ていきましょう。請求書の再発行には以下の3つのパターンが考えられます。それぞれのパターン別に解説します。

紛失が原因の再発行

相手が請求書を「紛失」した場合は、二重請求しないよう気をつけて再発行する必要があります。具体的な流れは以下の通りです。

1.紛失した請求書の内容をチェック

2.新たな請求書を作成する

3.案内状を同封する

まずは、紛失した請求書の内容を確認しましょう。先方の企業名や氏名、案件名など具体的な内容を確認します。次に、新たな請求書を再発行します。ただし、前回発行したものと同じ内容の請求書を作成すると、「二重請求」となるため注意が必要です。再発行する請求書には必ず「再発行」と記載しましょう。見分けが付くように赤文字で記載しておくと安心です。最後に、再発行の旨や支払い期限日などを記載した「案内状」を同封し、先方に郵送します。

支払方法変更が原因の再発行

「支払方法変更」の場合は、状況に応じた対応が必要です。代表的な例として「一括から分割に変更して欲しい」というものがありますが、これは先方の資金繰り悪化によって「請求額を支払えない」という状況になっていると考えられます。

ただし、支払い能力があるのに滞納している可能性もゼロではないため、法的措置を視野に入れつつ対応することが大切です。そうした場合、ただ請求書を再発行するだけでなく、トラブルを未然に防ぐためにも、覚書や念書を交わした上で再発行するのが良いです。

記載内容の誤りが原因の再発行

記載内容の誤りに気づいた場合、あるいは誤りを指摘された場合、迅速に以下の対応をしましょう。

1.誤りを確認したら早急に謝罪する

2.正しい内容の請求書を再発行する

3.誤った内容の請求書の「破棄」をお願いする

4.挨拶文を送付する

請求内容の誤りを確認した後、電話で早急に謝罪し、すぐに新たな請求書を再発行します。再発行した請求書には「挨拶文」を同封しましょう。挨拶文には、お詫びの旨や1枚目の請求書の「破棄のお願い」などを記載します。

請求書の再発行も必ず送付状が必要?

1枚目の請求書には「送付状」を同封するのが一般的ですが、再発行には送付状が必要なのでしょうか。ここで詳しく解説します。

基本的には必要

結論から言うと、請求書を再発行した際の送付状は「基本的には必要」となります。発行義務はありませんが、送付状には、請求内容のミス防止や相手に対して「丁寧な印象」を与えるなど多くのメリットがあります。

送付状に記載するべき内容は以下の通りです。

  • 日付
  • 宛先
  • 送付内容と枚数
  • 送り主の社名
  • 担当者の氏名や役職
  • 挨拶文(「お世話になっています」など」
  • 本文(送付の旨など)
  • 振込先

 

会社宛に請求書や送付状を発行・送付する際は、「〇〇株式会社 御中」記載します。担当者宛に送付する場合は、必ず担当者の氏名と役職を記載しましょう。また、送付内容にミスがないことを確認する意味を込めて、「送付物」と「枚数」を明記します。

送付状が不要なケースもある

取引によっては送付状が不要なケースもあります。例えば、データで請求書を送る場合です。請求書のPDFデータをメールに添付して送る場合などは、メールの文面に送付状の内容を記載できるため、送付状を発行・郵送する必要はありません。

ただし、請求書を「手渡し」する場合は要注意です。対面時に口頭で補足を伝えられますが、それだと先方がメモを取らねばならないため不親切です。そのため、送付状と同じような内容を記載した紙を1枚添えましょう。

請求書を再発行する際の注意点

最後に、請求書を再発行する際の注意点を見ていきましょう。

再印刷するだけではリスクがある

請求内容さえ確認できれば、請求書は簡単に再発行できます。しかし、そのまま再印刷してしまうと、二重請求になったり、取引先に混乱を与えたりとトラブルにつながりかねません。安易に再発行するのではなく、以下の内容を踏まえた上で慎重に再発行するようにしましょう。

・1枚目と区別するために「再発行」と記載する

・先方に「1枚目の破棄」をお願いする

・請求書ナンバーを振り分けて管理する

再発行した請求書の日付はどうする?

請求書の再発行時に悩むのが「発行日をいつにするか」です。結論、再発行する場合でも「1枚目の発行日と同じ日」を記載します。

相手が請求書を紛失した場合、特に請求内容に間違いがあるわけではないため、従来の日付のまま記載して問題ありません。

記載内容に誤りがあった場合でも、1枚目と同じ日付で発行するのが一般的です。ただし、二重請求にならないよう、請求書に「再発行」と記載するようにしましょう。

支払期日が過ぎている場合はどうする?

請求書の紛失や変更などによって支払期限が過ぎている場合は、新たな支払期限を設けます。新たな請求書とともに、送付状にも「支払期限を延長します」という旨を伝えましょう。

延長期限は概ね2週間〜1ヶ月程度が理想です。できるだけ早く支払って欲しい気持ちもわかりますが、ある程度の支払い猶予を設けましょう。

まとめ

今回は、請求書の再発行についてのポイントをお伝えしました。請求書は簡単に再発行できますが、安易に再発行してしまうと取引先とのトラブルにつながるといったリスクが伴います。安全に取引するためにも、再発行時には「再発行」と記載し、送付状を添えるようにしましょう。